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2017.03.04

3月4日(土) 養護教諭の語りをつなぐ『養護塾』を開催しました


昨年に引き続き、関西福祉大学にて第2回目の養護教諭の語りをつなぐ『養護塾』を開催しました。現場の養護教諭をお迎えして、養護教諭を目指す高校生・大学生から現役の養護教諭の皆さんが一緒になり、大変有意義な時間となりました。鹿児島県、福岡県、富山県など全国から139名の参加申し込みがありました。

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本学 看護学部教授 津島ひろ江先生の開会のご挨拶の後、「男性養護教諭の語り」と題し、男性ならでは現場でのエピソードや、日常に行っている校内の保健指導の内容について、大阪府立とりかい高等支援学校養護教諭 梅木陽平講師に説明していただきました。大阪府教育庁教育振興室保健体育課 本田 史歩氏に座長を務めていただき、養護教諭の経験からの貴重なご意見も頂戴しました。
近年、男性の養護の教諭は増加傾向にあります。女男の養護教諭という言葉が示すように、養護教諭の仕事には、性別にかかわらず子どもに対する母性愛が必要になります。
当日、男子学生も出席しており、「男性ならでは養護教諭のあり方について、具体的なイメージができた」と話していました。

・養護教諭に求められる看護能力
養護教諭の仕事は、学校の子どもに対する保健指導だけでなく、健康診断や応急処置など看護能力が必要です。学校という医療とは少し離れている養護教諭ですが、知っておくべき看護能力について、津島ひろ江先生にお話ししていただきました。

・学校で子どもの命を守る養護教諭
養護教諭の仕事は、学校の保健指導や簡単な救急処置を行うだけではありません。学校の子どもの健康に危険が及んでいるとき、すぐに医療機関に送るなど、大きな責任のある職業でもあります。養護教諭の判断により、学校の子どもが適切な医療を受けられた事例や、養護教諭に必要なフィジカルアセスメントについて、本学 看護学部准教授 中島敦子先生および京都府立盲学校養護教諭 鈴木 みちる先生にお話ししていただきました。

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■当日参加した人からの声
<メールに寄せられた感想>
養護塾に初めて参加し、養護教諭の現状や求められる役割を学ぶことが出来ました。私は、養護実習を経験しているため実習で養護教諭の姿を見て学んだ内容と照らし合わせながら講義を受けることが出来、今後の教育現場について考えるきっかけとなりました。
津島先生の講義内容であったように、高度医療が進んでいることや、病院から在宅への移行が進む今、学校現場では、障がいや疾患を持つ子どもが増加傾向にあるため、私は看護の勉強もしていることから養護教諭と看護の視点から、子ども達が安全に安心して学校現場を送れるよう養護教諭はどのような支援を行っていけば良いのか研究したいと考えたため大学院への進学を希望しています。養護塾を通し、自分の想いを纏めることが出来ました。ありがとうございました。
♦吉備国際大学 学生 岡井千沙子

実際に体験された実例をふまえてのお話をしていただき、とても興味深い内容でした。また、改めて養護教諭という仕事の魅力を感じ、養護教諭になりたいと思う気持ちが更に強まりました。ありがとうございました。
♦広島文化学園大学 学生 遠藤厚子

養護教諭として働かれている先生から実際の話を聞き、自分の気持ちをしっかり持ち、養護教諭という職に誇りを持ち児童生徒に対して一番に考えられるような養護教諭になりたいと改めて強く思うことができました。」
♦広島文化学園大学 学生 吉川絵莉花

今回初めて養護塾に参加させていただきました。実際の養護教諭の方々の貴重な体験談を聞かせていただき、将来のイメージをつけることができました。また、教員採用試験のお話も聞かせていただき、より一層やる気が出てきたように感じます。ありがとうございました。」
♦広島文化学園大学 学生 大江友里栄

養護塾では有意義な時間を過ごすことができました。日々自己研していく必要性を感じています。
♦養護教諭 黒田千晴

先週の養護塾では本当にお世話になりました。昨年に続き今年度の内容も素晴らしかったと思います。私自身だけでなく、学生たちの大きな刺激や学びを頂きました。教員採用試験対策も随分役に立ったと言っていました。先生には本当に感謝しています。
◆福山平成大学 中村雅子

今年の4月から採用の私にとって今回の『養護塾』はとても良い勉強となりました。先輩養護教諭の先生方の実際に起こった話や他その時の対応を聞いて、自分の考えの甘さを痛感しました。目の前の子供の対応するうえで必要な考え方であったり、看護力・技術面で足りない部分が見つかったりと、自分の努力するべきことが分かりました。今後、養護教諭として自信を持って対応できるよう学校保健学会や養護塾に積極的に参加していきたいと思います。また、養護学の学術大会も楽しみにしています。ありがとうございました。
◆福山平成大学学生 湯本里沙

<アンケートより>
中島先生の話は具体的で分かりやすかったです。私の勤務しております大学は、看護学部の中に養護教諭コースがあり、毎年10名程度の学生を選抜し、養成しております。看護学部を卒業した養成コースの学生は看護師としての経験のないまま養護教諭になるため、先生が講義の中でおっしゃられたアセスメントがとても重要であると思っております。学生の間にその力をどれだけ身に付けさせるかが私達にかせられている課題であると思います.
♦福岡県大学教員

周囲に養護教諭の方や養護教諭を目指している学生があまりいないので、今日はとても良い刺激になりました。ありがとうございました。また、来年も参加させていただきたいです。中島先生、鈴木先生のお話を聞いて、改めて養護教諭のアセスメント能力の重要性や役割の責任の重さを実感しました。現在、赤十字救急員の資格を持っていますが、いつか指導員の資格も取得したいと思いました。
♦広島県大学生

今回、初めて参加させていただきました。養護教諭に特化した話をきくことができて、とても勉強になりました。少し遠かったのですが、参加して良かったなと思いました。また来年も参加したいです。ずっとずっと勉強していこうと思います。
♦千葉県養護教諭

津島先生が養護学を確立したいと言われていましたが、現在勤務をする中で、養護教諭は看護・教育・心理学など様々な分野を幅広く知っておくことが必要だと実感しています。今後、養護学が確立し、専門性の高い養護教諭が増えたらいいなと思いました。
♦大阪府養護教諭

中島先生のお話では様々な事例を通して養護教諭の判断の重大さとフィジカルアセスメントの大切さを感じた。自分では体験できなかった事例も他の人と共有することで勉強し、自分のものにしてきたい。鈴木先生のお話では、日々の緊急時を想定した訓練をおろそかにしないよう、定期的に行ったり、そういった機会をもっと広めていくことが大切と思った。
♦山口県大学生

具体的な例があって分かりやすかった。看護師としての知識や能力を大切にしなければいけないし、改めて正しい知識をもって対応することが大切であることが分かった。また、養護教諭は命を守るために毎日正しい技術を身につけることが大切だと思った。
♦鹿児島県大学生

男女関係なく、思いや資質などが大切で、教育に携わるということは同じで、遠慮ではなく配慮しながら子供たちのことを考えていくべきだと感じました。また、看護・教育・福祉の連携の大切さを実感しました。臨場感のある、とても分かりやすい講演で感銘を受けました。
♦島根県大学生

津島先生の「本日、『養護学』の構築に向けてがんばりましょう。」という呼びかけがありました。どういう想いで養護教諭の職務をしていくのか、そういった哲学について考えることができました。今後も、この仕事の魅力について考えて行きたいと思いました。
♦兵庫県養護教諭

〔教員採用試験に向けてのアドバイスに参加して〕

私は広島県を受けようと思っています。看護系でも教育系でもなくスポーツ系なので、結構不安でしたが、スポーツ系を強みにがんばろうと思いました。
広島県はマークではなく記述なので、とりあえず丸暗記が大切だなと思っているのでがんばろうと思いました。裏話などいろいろ聞けて良かったです。ありがとうございました。
♦福山市大学生

まだ高校生なので考えるには少し早いかなと思いながらも大学受験にも使えますし、知っていて勉強するのか知らないで勉強するのかで違うと考えたので受けさせて頂きました。県別に違いを教えて頂いて、大学卒業後の進路等が少し明確になりました。
♦高校生

■今後、『養護塾』で取り上げてほしいこと
・ライフスキル教育
・成長期にある児童生徒のスポーツ障害(将来に花を咲かせる為に)

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■養護教諭のあり方とは
養護教諭は、学校内では数少ない医療保健の専門職です。養護教諭は、保健指導や応急手当をするだけではなく、子どもと医療機関の架け橋になることもあります。最近では、家庭環境が複雑な学校の子どもの第一発見者となったり、子ども一人一人に対する精神ケアが必要になったりと、養護教諭に求められる能力は日々増えています。
学校の子どもの身体と心の健康を守り、安心して学校生活が送れるよう、日々養護教諭は知識と技術の研鑽が必要です。