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ソーシャルワーカーとは | 関西福祉大学

ソーシャルワーカーとは

いま、世の中が“ソーシャルワーク”の力を求めている。

高齢者の介護をしたり、困っている人を支えるサービスを提供することとイメージされがちな「福祉」。
でも実際は、それだけにとどまらない広がりをもっており、なおかつ、世の中から大きな期待を集めています。
ここでは、「ソーシャルワーク」をキーワードにしながら、その可能性を見ていきましょう。

制度を使う仕事と変える・つくる仕事。2本柱が福祉を支える

冒頭でも紹介した福祉に対する一般的なイメージ。これも福祉の一部ではありますが、全部ではありません。というのも、福祉は「制度を使う仕事」「制度を変える・つくる仕事」の2本の柱によって支えられているから。例えば高齢者介護は、介護保険をはじめとしたさまざまな制度に基づいて行われています。また、それらの制度に沿って、介護職員などが仕事をしています。これが、「制度を使う仕事」。対する「制度を変える・つくる仕事」とは、その名の通り、各種の社会福祉制度を生み出していく仕事です。どんなに素晴らしい制度があっても、それを使う人の知識や技術、意欲なしには、制度は本来の目的を達することができません。逆に素晴らしい職員がいても、制度が整っていなければ、職員は本来の力を発揮できません。2本柱が福祉を支えるという理由は、ここにあります。

整理しよう! ソーシャルワーク、社会福祉、社会福祉士

ソーシャルワーク

より良い社会を実現していくために、仕組みや制度を変えていこう、整えていこうという取り組み。ソーシャルワーカーは、その取り組みを実践する人のこと。

社会福祉

社会の困りごとを解決し、みんなが幸せに暮らせるようにする制度や仕組みのこと。この制度・仕組みに基づいて設けられている施設やそこで働く人、提供されるサービスを「社会資源」と言います。

社会福祉士[国家資格]

ソーシャルワークを実践するためには、法律や福祉制度の成り立ちなどの知識や、相談援助に関する技術など、高い専門性が必要です。それらを修得したことを証明するのが、社会福祉士の資格。「ソーシャルワーカーの国家資格」と呼ばれることもあります。取得するには、専門のカリキュラムをもつ大学で学ぶことなどが条件になっています。自治体の福祉職や社会福祉協議会の職員など、職種によってはこの資格をもっていることが採用の条件になっていることもあります。

広い視野で仕組みを考えるソーシャルワーカー

目の前の困っている人を支えたい。そう思ったとき、「どの制度が使えるか」「どんなサービスが活用できるか」を考えます。つまり、「制度を使う仕事」とは「個を見る仕事」と言うことができます。対する「制度を変える・つくる仕事」とは、社会全体の困りごとを解決する方法を考える仕事だと言えます。これが、ソーシャルワークと呼ばれる所以で、ソーシャルワークを実践する人のことをソーシャルワーカーと言います。
制度を変える・つくる仕事と言うと、政治家や自治体の職員を思い浮かべるかもしれません。でもソーシャルワーカーは、それら以外のたくさんの職種を含んでいます。例えば介護施設の職員が、利用者が今以上に快適に日々を過ごすことのできるルールを提案したとします。このとき、この職員は特定の利用者という「個」だけではなく、施設全体という一種の「社会」を見ています。このように、今あるものを使うことだけにとどまらず、「今あるものをより良いものに変える」「なければつくる」といった広い視野でものごとをとらえます。そして、こういったことは高度な専門知識・技術をもったソーシャルワーカーだからこそ実現ができるのです。

社会の変化に伴う“ひずみに” 目を向け、支援の仕組みを整えていく

福祉六法と呼ばれる日本の福祉制度の根幹をなす法律は、戦後に20年近い時間をかけて支援の対象を広げていきました。それはつまり、社会の変化に伴って、当初は想定していなかった「生きづらさ」が表面化していった歴史でもあります。これらの変化をキャッチし、支援の仕組みを整えていったのがソーシャルワーカーです。

■福祉六法 制定の歴史

1946年
生活保護法
1947年
児童福祉法
1949年
身体障害者福祉法
1960年
知的障害者福祉法
1963年
老人福祉法
1964年
母子福祉法

相手の状況や気持ちを“想像”し、解決策を“創造”する

ソーシャルワーカーは、より良い社会の実現をめざして新たな仕組みや制度を生み出す役割を担っています。それは、いまはまだこの世に存在しないものをつくり出すという、とても創造的な仕事。社会の変化に伴う“ひずみや” 問題点に注目しながら時代に応じた解決策を提案するということです。このような発想は先端のビジネスと共通点が多いとも言えます。
では、“創造”のために必要なものは何か?それは、相手の状況や気持ちを“想像”することです。声なき声に耳を傾け、何に困っているのかを考えることから、解決策は生まれてきます。「困っている人の役に立ちたい」という福祉の心は、ソーシャルワーカーの原点とも言えるでしょう。
そして、「創造するために想像する」には柔軟な発想の転換も必要です。このような力を基礎としたソーシャルワークを学び、福祉の心を備えた人の活躍の場は社会福祉を中心とし、関連するさまざまな分野にも広がっているのです。

ソーシャルワーカーの力が存分に発揮された
「生活困窮者自立支援法」の制定

社会が変化することにより、これまでの支援の仕組みが十分に機能できなくなることがあります。その例が、「ワーキングプア」という新たな貧困の形です。ソーシャルワーカーはこの課題にいち早く目を向け、現場での支援を開始。さらに支援の輪を広げていき、生活困窮者自立支援法という法律の制定を実現しました。時代の変化が生み出す制度や仕組みの「はざま」に目を向け、そこで苦しむ人を支援するという、ソーシャルワーカーの役割が存分に発揮された出来事でした。

ワーキングプア

働いているにもかかわらず、生活を維持することが困難な水準の収入しか得られないこと。背景には、派遣社員などの非正規雇用を拡大した社会の変化があります。正社員や終身雇用が当たり前であった時代には想像もできなかった、時代の変化に伴う新たな「生きづらさ」の代表例でもあります。

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