教育学部 児童教育学科 幼児教育コース

教育学部

幼稚園教諭・保育士採用実績

子どもの発達段階に応じた関わりのできる保育者を育成
生きる力を育むカウンセリングマインドが今、求められている!

01 保育者に必要な心理臨床的態度(カウンセリングマインド)

何があったのか、泣きじゃくるA君(3歳児)。どうしたのか尋ねても言葉になりません。保育者がA君を抱き寄せ背中をさすっていると落ち着きました。涙を拭いてやっていると「あんね、あんね・・・」と話し出します。泣きじゃくることになった原因はまだ何も聞けていないし、解決もしていません。しかし、保育者の(泣きたいんだよね)という共感的な気持ちを込めた接し方によって、A君は自分の力で気持ちの整理をしました。湧き上がる感情を、子どもが自分で処理する経験を積み重ねることが『生きる力』を育むことにつながります。そのようなことから近年保育者に、心理カウンセラーがクライエントに接するときに心掛ける姿勢を、保育場面で応用することが求められています。保育者が子どもの『内なる世界』を理解し、受容・共感的に接するという面が、カウンセラーが心掛けている姿勢と重なるのです。

02 子どもの非認知能力の育ちを支える保育者の援助

一輪車が得意な5歳児に憧れて、「私も一輪車に乗れるようになりたい」と挑戦を始めたB子ちゃん(4歳児)。でも、B子ちゃんは少し運動が苦手です。練習しても練習しても乗れるようになりません。保育者は「あきらめないね、すごい!」と援助します。約10か月後に1メートル程乗れるようになりました。たった1メートルですが、10か月に及ぶ粘り強い努力は、B子ちゃんの心を強くしたことでしょう。今、世界中で子どもに対する教育観が見直されています。自然災害、環境問題、コロナ感染症など地球規模で考えなければいけない問題が山積みです。これからを生きる子どもたちに必要な能力は、知識・技術だけでなく、これらの問題に立ち向かえる主体性や探求心、表現力、協調性、耐性などの内面的な育ち(非認知能力)であると、日本でも教育の方向転換が試みられています。非認知能力の育ちを支えるのは保育者の援助なのです。

03 保育現場で『気になる子ども』はしつけができてないの?

今保育現場では、気に入らなかったら急に物を投げる、友達を突き飛ばす、遊びを片づける時間になってもその気になれない、急な予定変更に混乱する、興味が次々に移り、落ち着かないなど、『気になる子ども』が増えていると言われています。そのため集団生活でトラブルが多発しています。『気になる子ども』は、発達障害の可能性もありますが、親子関係や生活リズムの乱れなどの影響を受けている場合もあります。しつけが悪いなどと簡単に言える問題ではありません。気になるのは保育者で、実は子どもは困っているのです。保育者は一人ひとりの発達上の特性を知り、子どもが自分の感情を自分のペースで処理したり、言葉で相手に伝えたり、気持ちを切り替えたりする経験を積み重ねられるよう、保護者と連携し、環境を整え、理解者となって支えます。

心理学を実践に活用できる学び

心理学の学びが現場で活かせる
心理学を専門的に学ぶことで、子どもの心が深く理解でき、関わり方に活かせます。子どもの心の成長を学ぶ「発達心理学」をはじめ、「認知心理学」「臨床心理学」などさまざまな心理科目を用意しています。
主な心理学系科目
  • 心理学概論
  • 心理学基礎論
  • 教育心理学
  • 保育の心理学
  • 発達心理学
  • 社会心理学
  • 臨床心理学
  • 認知心理学
  • 心理療法
  • 心理測定法
  • 心理学基礎実験
  • 心理検査法実習
  • カウンセリング概論
  • 青年期の発達心理

プロフェッショナルとしての保育・保護者支援を可能とする実践的な学び

専門的な知識と技術の修得
教員には、子保育所では子どもとともに保護者の支援も必要です。子どもや保護者との信頼関係を築き、適切にサポートするうえで欠かせないのが理論と実践、両面からの学び。そこで、正課の授業やゼミ(演習)では専門的な知識と技術、サークルや課外活動では地域と連携する力やコミュニケーション力を身につけ、プロとしての専門性を高めます。どもの心理や行動に関する深い知識が不可欠です。同時に、授業などで子どもたちを指導する、プロの技術も求められます。これら2つの要素を身につけることで、子どもたちに安心感を与え、信頼される先生として活躍することができます。

1年次 「幼児理解」

子どもの言動から内面の理解を深めるために、さまざまな事例を読み解きます。1年次から現場の事例にふれることで実践力につなげます。

2年次 「教育基礎演習Ⅰ・Ⅱ」

小学校教諭・幼稚園教諭・保育士など、異なる道をめざす学生がともに学び、協働性と探求心を養いながら、確かな知識を身につけます。

4年次 「卒業研究」

自分でテーマを見つけ、研究計画を立てることで、自発的な力を養います。データ分析などで研究結果を得る達成感は自信にもつながります。

サークル「保育技術研究会」

教材作りや食育など新しい保育も学びながら、保育技術の向上をめざします。

実技系授業も豊富に展開

ピアノはもちろん、音楽表現や造形表現など現場で欠かせない実技系科目を修得します。充実した学内設備が学びを後押しします。

ピアノ実習室ピアノ実習室
調理実習室調理実習室
保育実習室保育実習室

発達の道筋と課題について理解力・対応力を身につける学習の充実

1年次からの段階的な実体験学習で実践力を高める
4年間にわたり演習と実習を計画的に実施。事前学習や実習後の振り返りで、学びをさらに効果的なものにします。

キャリア形成Ⅰ・Ⅱ

キャリア形成Ⅰ・Ⅱ
1年次から近隣の保育園、幼稚園、こども園、発達支援センターなどの現場へ。子どもたちと関わり、保育者としての意識づけを進めることで、専門的な学びへのモチベーションを高めます。2年次は保育観の基礎を養うために、視点を変えた現場体験を実施。公立保育園などで活躍する先輩との座談会も実施します。

保育内容指導法Ⅰ・Ⅱ

保育内容指導法Ⅰ・Ⅱ
パワーポイントを使ったデジタル紙芝居の作成・上映や、声だけで物語を伝える素話などで実践力を身につけ、保育の技術力を高めます。

教育実習

幼児教育コースが対象とする「子ども」は年齢の幅が広く、発達段階も大きく異なります。また、保育を行う場もさまざま。それらを体験するために、実習は幼稚園、保育所および施設と性質の異なる場所で行います。これにより、幼稚園教諭と保育士という2つの免許・資格を得ながら、自分に合った職場選びが可能になります。

01 子どもの多様性を体験する

実際に子どもとふれあい、自分の目で見て耳で聞くことで、教科書ではわからない子どもの多様な姿を知ることができます。そのことが、個人に合わせた関わり方を考える出発点になります。

02 チームワークと自分の役割を理解する

クラスをともに担当する先生や他のクラスの先生、園長をはじめとした上司など、多くの教職員との連携によって日々の保育が行われています。このことを実体験し、チームにおける自分の役割を考え、実行していきます。

03 信頼される人間性を磨く

実習を通して教育者・保育者としての自覚を養い、知識やスキルを磨くことで自信を深めることは、保護者やともに働く仲間から信頼される人間へと成長することにつながります。

04 将来進むべき方向性を考える

幼稚園教諭か保育士か、保育士ならばどのような施設で働くか。活躍の場が幅広い職種だけに、卒業後の進路選びに悩むこともあります。大学時代に3種類の異なる実習先を経験しておくことが、進路選択の重要な判断材料となります。

実習 学年 コース 前期 後期
4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
3年次 幼児
教育
コース
(幼) 教育実習指導(幼)       教育実習ⅠⅡ
(幼)
20日間
           
(保) 教育実習指導(保) 保育実習Ⅰ
【施設】
10日間
保育実習指導Ⅱ 保育実習Ⅰ
【保育所】
10日間
保育実習Ⅱ
【保育所実習】
10日間
     
4年次 幼児教育
コース
    教職実践インターンシップ【小学校・保育園・幼稚園等】
5日間(30時間)
       
演習 1年次 共通 大学入門演習Ⅰ     大学入門演習Ⅱ    
2年次 教育基礎演習Ⅰ     教育基礎演習Ⅱ    
3年次 教育専門演習Ⅰ     教育専門演習Ⅱ    
4年次 幼児教育
コース
卒業研究     卒業研究    

主な実習先

実習に向けては、心構えやマナーを学ぶとともに、模擬保育を行う事前学習を実施。実習後は、関西福祉大学独自の評価項目を使って自身の体験を振り返り、グループで意見交換を行う実習報告会を行っています。

各教育委員会より地域の幼稚園、保育所に配属されて実習を行います。
【兵庫県】赤穂市、上郡町、相生市、たつの市、姫路市
【岡山県】備前市
※年度により異なります