コラム

ボランティアから得られるもの(後編)

 
前編(リンク)でもお話しした通り、ボランティアは自発的な活動です。

しかし、自分 1 人で行動することはハードルが高く、「誰かに誘われて」「声をかけてもらって」始める人も少なくありません。
実は、私自身も先輩から「ボランティアを一緒にやってみない?」と声をかけてもらったことがきっかけでボランティアを始めました。
ボランティアは原則無償で行うものですが、得られるものも多くありました。
今回は、ボランティア活動を行うことで得られるものを私自身の経験から紹介したいと思います。

1点目は、当事者との出会いです。
私自身は、障害福祉関係のボランティア活動をしていました。
ボランティアを通じて当事者、ご家族と知り合う機会が多くありました。
当事者の視点から語られる言葉には強さがあり、心に響くものがありました。

この経験から、当事者の視点で考えることの大切さを学びました。
現在は大学に勤務していますが、根底にある福祉の問題意識の原点は、ボランティアの経験があると思います。

2点目は、仲間です。
気軽な気持ちで始めたボランティアですが、そのボランティアを通じて、一緒に楽しく活動ができる仲間ができました。
私がしていた活動は「自分が出来る時に」「できるだけ」の小さな活動でしたが、それぞれのボランティアが得意なことを活かすことで、みんなが活き活きと楽しく活動することが出来ました。

そしてその活動を通して喜んでもらえる人がいることは、とてもうれしいことでした。

一人でできることは限られていますが、仲間がいることで大きなことを成し遂げられることを実感しました。

私自身はボランティアを行うことで、得られるものが大きかったと思います。
ボランティアの魅力は、相手が喜んでくれてそのことで自分も嬉しいということ。
つまり、ボランティアをする側と受け入れる側がお互いに影響を与え合い、無償であるけれどもお互いに得られるものがある互恵的な関係にあると私は思います。

コロナ禍ではありますが、感染対策を行った上での活動やコロナ禍ならではの活動も増えています。
ICTを駆使した活動もあります。
興味があれば、ぜひチャレンジしてみてほしいです。
 

この記事を書いた人
萬代 由希子
萬代 由希子 - まんだい ゆきこ -

RELATED POST関連記事

  • 虐待を受けた子ども達の心の傷
    近年、虐待によって幼い命が奪われるという痛ましいニュースをよく目にするようになりました。 実際、児童相談所の虐待相談対応件数は増加の一途をたどっています。 ここでは児童虐待をめぐる心の傷つきについて取 [...続きを読む]
  • 僕の歩く道
      「僕の歩く道」は2006年に放送されたドラマで、自閉症の30代の青年である大竹輝明さんが主人公である。 少し古いドラマであるが、今観ても多くの学びや気づきが得られる。 大竹さんは職場での [...続きを読む]
  • 適性は形成概念:あなたは向いている? それとも向いていない?
      看護にしても社会福祉にしても、その仕事に向いているか向いていないか、この適性の問題は大事ですよね。 ではどう捉えたらよいのでしょうか。 そもそも適性って、何なのか。 私の大学院修士課程時 [...続きを読む]

LATEST POST最新の記事

  • 変わるのはだれか
      本学で行っているSDGs(持続可能な開発目標)の取組み。 今となっては生活していればあらゆるところで耳にする言葉なのではないでしょうか。 先進国から開発途上国への一方的な「支援する−支援 [...続きを読む]
  • 支援を支える考え方の一つ
      私たちの行動は、目的を果たすために行われます。 例えば「大学に行きたいから、勉強する」し、「全国大会に行きたいから、練習する」といった具合です。 だから目的を果たせないと分かっていたら、 [...続きを読む]
  • 政教分離と私立学校
      高校生から「うちの学校では宗教の時間がある。これは憲法違反ではないのか。」と質問されることがあります。 確かに、日本国憲法第二十条「①信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる [...続きを読む]
PAGE TOP