社会をデザインするソーシャルワーク:共生を強制しない社会を目指す
東日本大震災以降、大規模な自然災害が続いています。
その度、「つながり」や「絆」、「共生社会」、「連携」といった言葉に注目が集まります。確かに大切な言葉だと思います。
しかし、このような言葉に縛られてしまうのはどうでしょうか。
実際に、社会には「つながりをつくろう」、「絆をつくろう」、「共生社会をつくろう」、「連携しよう」といったフレーズが溢れかえっています。
そして、どこかで、誰かとつながり続けることを強いられてしまうこともあります。
人はスマホを持ち、SNSをすることで常に誰かとつながっている状態です。
でも、よく考えてみてください。
私たちには一人でいたい時だってありますよね。
一人でゆっくり考えたいのに誰かが関わってくることもあります。
すごく助かる時もあれば、一人になりたいと心の底から思うこともあるでしょう。
なぜ、こういうことになっているのでしょうか。
ここに大きな落とし穴があります。
それは「つながりをつくること」、「絆をつくること」、「連携すること」が目的になってしまっているのです。
常にどこかで、誰かとつながっていられるような社会が良いとされています。
そして、実は、その先がないのです。
だから、現実に「つながりはできた、さぁ、どうしよう…」という場面がたくさんあります。
そこで忘れてはいけないのが「人」です。
その人が何を求めているのかを目的にし、その手段として「つながり」ができれば良いのです。
もちろん、できなくても問題はありません。
実は、このように考えることが大切になります。
ソーシャルワークは社会をつくる一翼を担っています。
その時、そこで暮らす人のことを忘れてはいけないのです。
社会が共生を目指すことは大切です。
しかし、共生は強制して築くものではありません。
結果として「共生できるようになっていたよね」が目指すべき方向なのでしょう。
RELATED POST関連記事
-
2020/05/01 総合福祉コース続・いまも影響力を持ち続ける人生論武者小路実篤の人生論は今日もなお影響力を持ち続けている。 それを示す根拠として、たとえば「読書メーター」(日本中の読書家とコミュニケーションできるWeb)がある。 読書メーターのレビュー数を見ると、2 [...続きを読む]
-
2021/07/07 医療福祉コース変異株とは何ぞや?いま、新型コロナのニュースを見れば「変異株」という言葉がほぼ必ず出てきます。 大阪で変異株、東京で変異株、五輪会場で変異株が出たら、等々。 では実際に変異株とは何ぞや? といえば、案外、 [...続きを読む]
-
2021/01/20 こども福祉コースコロナ渦でも学生が頑張ったこと その② ~「コロナ渦でも元気で楽しく過ごす子どものコツ」冊子の制作~コロナ渦は大学生に心身ともに大ダメージ 新型コロナは日本において大学生に心身ともに大きなダメージを与えています。 小・中・高校生は登校できていますが、大学生は登校も叶わない時期が長く続い [...続きを読む]
LATEST POST最新の記事
-
2022/10/14 スポーツ福祉コース成功のカギは、結果が出るまで「待つ」ことができるかどうか競技スポーツには常に勝者と敗者が存在し、その差はごく僅か、紙一重です。 勝ち負けは2分の1、5割の確率で決まりますが、アスリート個人のパフォーマンスはどのくらいの確率で「成功」となるので [...続きを読む]
-
2022/09/14 心理福祉コース言うまでもないこと先日、「暗黙の了解です」「言うまでもない前提なので」という事態に直面しました。 個人的には「ちゃんと言ってくれていたら・・・」という気持ちになりましたが、このような言わずもがなの事項は身 [...続きを読む]
-
2022/09/06 総合福祉コース色彩と印象人は、第1印象(1秒~6秒程度)を、 ①外見や服装 ②表情・視線 ③話し方・声の質 ④しぐさ・姿勢 ⑤話す内容 で決定しているそうで、このことを「初頭効果」と言います。 初頭効果とは、最 [...続きを読む]
コラムTOP
タグ一覧
- ALS
- ICT
- PTSD
- SDGs
- あたりまえ
- かけがえのなさ
- つながり
- アスリート
- エンパワメント
- オンライン授業
- コミュニティ
- コラボレーション
- コラム
- コロナ
- コーチ
- コーチング
- コーチ哲学
- ジャージ
- ストレス
- スポーツ
- スポーツウェア
- スマホ
- ソーシャルディスタンス
- ソーシャルワーク
- デザイン
- トラウマ
- ノーマライゼーション
- ノーマリゼーション
- ハラスメント
- バレーボール
- ホーム
- ボランティア
- メンタルヘルス
- レジリエンス
- 不平等
- 人生
- 人間関係
- 介護
- 体育
- 依存
- 児童虐待
- 共生
- 冷蔵庫マザー
- 印象
- 危機管理
- 問題行動
- 国家試験
- 声なき声
- 多文化
- 多文化共生
- 大学教育
- 子ども
- 子ども支援
- 子ども食堂
- 学会
- 尊厳
- 差別
- 平等
- 幸せ
- 復興支援
- 心理療法
- 怒り
- 性格
- 悩み
- 愛情
- 愛着
- 感性
- 感染症
- 成年後見制度
- 授業
- 援助
- 支援
- 政策反映
- 教養
- 文化
- 正しさ
- 正義
- 活動
- 海外研修
- 渡航医学
- 災害ボランティア
- 災害時要配慮者
- 生活困難
- 異文化
- 真実
- 知性
- 知的障がい
- 研究
- 福祉実践
- 福祉思想
- 福祉教育
- 科学
- 移植
- 精神障がい
- 経済
- 脳死
- 臨床心理学
- 自尊心
- 自己覚知
- 自立
- 自粛警察
- 自閉症
- 若者
- 虐待
- 表現行動
- 観光
- 認知
- 認知症
- 読書
- 路上生活者
- 適性
- 重要な一冊
- 障害当事者の声
- 障害者権利条約
- 難病
- 高齢者
- 高齢者福祉