多様性を考える
近年、ダイバーシティ(Diversity)、多様性を認めた社会というものが注目されています。
この流れ自体を否定するつもりはありませんが、今、言われている「多様性を認めた社会」というのは本当に多様性を認めた社会なのでしょうか。今回のコラムではこのことについて少し視点を変えて考えてみたいと思います。
多様性を認めた社会というと様々な背景を持った人が活躍できる(している)社会をイメージすることが多いように感じます。
もちろん、このことは正しいかもしれません。ただ、どうもこのイメージにはもう一つ「そこで活躍する人は互いに認め合い、良好な関係の中、仲良くしている」というものが付随している気がしています。こういう社会が実現できれば理想かもしれませんが、それは逆にそうでない人を排除してしまう危険性を含んでいます。つまり、「認められず、関係が築けなかったり、悪化する場合は排除する」という構造が成立してしまうかもしれません。
ということは、実は認め合ったり、良好な関係を築いたり、仲良くするのではなく、お互いの存在を分かり合うだけで良いのではないでしょうか。
同じ時間と空間は共有するけど、気が向けば周りと合わず、気が向かなければ周りを気にしなくて良い関係性を目指すのも一つの選択肢だと思うわけです。ある意味、適度にお互いを無視できる関係性であり続けることが「多様性を認めた社会」と言えるのではないでしょうか。
そもそも「多様性を認めた社会はこうです」と定義をしてしまうと、そこに該当しないものが炙り出されることになりかねません。
だとすれば結果として多様性を認めた社会になっていたくらいで考えておくことが大切なのではないでしょうか。
みなさんは、このことについてどう考えますか。
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