コラム

男性介護者のストレス軽減のためのヒントについて

私は、社会福祉士および認知症ケア指導管理士の資格を持っています。

主な研究分野として、男性介護者による介護に対して、地域包括支援センターの社会福祉士がいかなる支援をすればよいのかなどについて、研究を行っています。

介護者の心理や家族の仕組みの観点から分析し、ストレス軽減のためのヒントについて考えています。

介護をする男性は年々増加しています。

男性介護者は介護に対して抱く生き甲斐感を感じることが多いのです。
そのために、介護の役割をとても責任感強く感じ、周囲の人に支援を求めることが遅くなってしまうことなどもあることが分かっています。

それでは、周りの人や専門職はどのように支援をしていけばよいのでしょうか。

私の研究の結果、周囲の人が、男性介護者の話を、傾聴し、その話に共感していくことがもっとも大きな効果を示すということが分かりました。
具体的には、「よく介護を熱心にされていますね。その頑張る力はどのようにして身につけられたのですか」といった質問技法や「もし奇跡が起こるとします。あなたにとって問題が解決した状態とはどのようなものですか」といった質問技法を駆使しながら、男性介護者の心を解きほぐし、解決への糸口を一緒に寄り添って考えていくという姿勢が必要なのです。

私には、長い間続けている地域貢献活動があります。

それは、赤穂市内の施設に、音楽を届けるレクリエーション活動をしています。

私は、ピアノを弾くことや踊ることが大好きなので、その趣味も生かしながら、学生さんと毎年のように施設にボランティアにでかけていきます。

昔の唱歌や演歌、今はやりの曲などを利用者の方々と一緒に奏でると、自然と笑顔が出てきます。

そんな笑顔を活力としたゼミ活動も実施しています。

この記事を書いた人
一瀬 貴子
一瀬 貴子 - いっせ たかこ -

RELATED POST関連記事

  • 充実した実習とするためには
      社会福祉士の実習は、社会福祉士を目指す学生にとって大きな学びが得られる機会となります。 私は社会福祉士の実習指導の授業を担当していますが、学生さんと話してみると、実習前は不安で自分は大丈 [...続きを読む]
  • 「あたりまえ」について
    私たちは日常生活で「あたりまえ」という言葉をよく使い、耳にします。 学校に行くのは「あたりまえ」。 異性を好きになるのが「あたりまえ」。 大人の言うことを聞くのは「あたりまえ」などなど。 「あたりまえ [...続きを読む]
  • 体育とは何かを考える
    体育とは何か?  皆さんがすぐ思い浮かべるのは、おそらく小学校から高等学校まで学校で習った学校体育ではありませんか? その内容は運動遊びやスポーツが主だったと思います。学校の先生が児童や生徒たちに、そ [...続きを読む]

LATEST POST最新の記事

  • 変わるのはだれか
      本学で行っているSDGs(持続可能な開発目標)の取組み。 今となっては生活していればあらゆるところで耳にする言葉なのではないでしょうか。 先進国から開発途上国への一方的な「支援する−支援 [...続きを読む]
  • 支援を支える考え方の一つ
      私たちの行動は、目的を果たすために行われます。 例えば「大学に行きたいから、勉強する」し、「全国大会に行きたいから、練習する」といった具合です。 だから目的を果たせないと分かっていたら、 [...続きを読む]
  • 政教分離と私立学校
      高校生から「うちの学校では宗教の時間がある。これは憲法違反ではないのか。」と質問されることがあります。 確かに、日本国憲法第二十条「①信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる [...続きを読む]
PAGE TOP