悩ましさに悩む①
昨日の失敗を繰り返さない、今日の努力が明日の成功につながる。
子どもの頃によく聞いた言葉です。
しかし近年、「今この瞬間に着目する」「今を生きる」ことが注目され、それらは心理学の分野では「マインドフルネス」と呼ばれています。
マインドフルネスについて簡単に説明すれば、この瞬間に生じている体験に気づき、それをありのままに受け入れる状態や方法などと言えます。
方法として瞑想を用いるために「マインドフルネス=瞑想」というイメージがある人もおられるかもしれません。
確かに、瞑想をすることで脳を休める効果もありますが、それをとおしてどのような状態に至ることを目指しているのかを理解することも大切です。
そのポイントは、大きく分けて2つあり、2回にわたって紹介しようと思います。
今回は1つ目を紹介しようと思いますが、それは今ある「苦しさ」について、「苦痛(pain)」と「苦悩(suffering)」に分けるということです。
ここで言う「苦痛」とは、日常的に誰にでも「ある」ものです。
例えば、社会人であれば、達成すべき業務課題や〆切があり、学生であればレポートやテストもあります。
これ自体が苦痛である場合もあれば、それに取り組むなかで自分の未熟さや他者評価に直面することがそう感じられる場合もあります。
そして、この苦痛について抵抗することで生じるのが「苦悩」です。
そのため、苦痛に対して抵抗が大きければ大きいほどその苦悩は増加することになり、抵抗が小さければ小さいほど苦悩は減るという図式が成り立ちます。
そして、この苦痛について拒否し続けてしまうと苦悩は増幅し続けるという悪循環に陥るため、マインドフルネスでは実際に生じている苦痛について「受け入れる」ことがひとつのステップになります。
その際、屈服やあきらめではなく、そこに前向きな理解があることも大切です。
「ありのままを受け入れる」ことは大切ですが、実はそのことが容易ではないからこそ人は苦しむわけです。
そのため、上記のような理解など自分で納得できるような工夫をするほか、マインドフルネスにおいては瞑想における筋肉の弛緩や心のリラックスなどもその一助として機能します。
このようなマインドフルネスについては、書店でも特設コーナーが設けられているほか、参加しやすいセミナーもありますので、興味がある方はぜひ調べてみてください。
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