人間一人ひとりに、等しくある「尊厳」 ~「津久井やまゆり園」事件後のソーシャルワーク教育~
2016年、神奈川県にある知的障害者施設「津久井やまゆり園」で、元職員が施設に侵入し、入所者19人を刺殺した事件が起きました。
犯行の動機は、「重度障がい者は生きている意味がない」、「意思疎通のできない重度の障がい者は不幸をもたらすだけで死んだほうが良い」というものです。
亡くなられた方が被った痛み・恐怖、そして、その無念さに心が痛むと同時に、人間一人ひとりに「尊厳」があることを、改めて思わずにはいられません。
人間の尊厳とは、「人間には、厳かで尊く、かけがえのない、別格な価値(大切さ)がある」といった意味です。
ソーシャルワークは、重度の障がいがある人だけでなく、仕事を失いホームレスになっている人、「寝たきり」といわれる状態になっている人、認知症が進んだ人、いじめ等で引きこもり状態になっている人、虐待を受けている子どもや高齢者など、どのような状態の人に対しても、その人の尊厳を護る営みです。
「津久井やまゆり園」事件は、その尊厳を踏みにじりました。尊厳はソーシャルワークにおいても最も重要な価値です。
だから、事件後のソーシャルワーク教育は、改めて尊厳についての教育を強化しなければなりません。これは、ソーシャルワーク教育における「責任」です(ここでいう「責任」とは、「二度と、あのような事件は起こさないでほしい」という想いに応えることを意味します)。
このような考えに基づき、関西福祉大学社会福祉学部では、「尊厳」を体系的に学べる教育プログラムを展開しています。
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