福祉はゴール?でもなんでもない!
「ローマ人の物語」の作者である塩野七海さんは、著書の中で「福祉によって誇りは満たされない。」と述べています。
この言葉だけだと誤解を招く(福祉は必要ではない等)ので、今少し考えていく必要があります。
塩野さんも福祉が必要ではないとは言っていません。
また、支援が必要な人に対して、食事や入浴の介助、心配事の相談や援助は、生活をするうえでとても大事なものであることは言うまでもありません。
ここで大事なのは、「福祉のその先」にどのようなものを見据えていくかということです。
これは学生だけでなく、今の福祉施設や事業所においても留意すべきことであると思います。
実際に、素晴らしい支援を展開している施設はいくらでもありますが、そういった施設に実習の巡回に出かけて話しを聞いた時、ごくまれに、福祉をゴール(最終到達点)ととらえた発言を耳にすることがあります。
これは全くの間違いであり、かつ、専門職の傲慢でもあると思います。
また、われわれのような福祉の学びの場にいる者としても最も気を付けなければならない点であると思っています。
福祉はゴールでもなんでもなく、その福祉の支援をベースに、自分がどう生きたいか、どうありたいかを実現していく、この点が最も大事であり、これら「福祉のその先」を見据え、その土台となる部分を支援していく、やがて、ある人は今の福祉の支援を脱却して自分らしく生きるすべを見出す、ある人は今の福祉の支援を受けながら自分らしく輝いていく。
この点に「福祉の面白さ」が凝縮している気がしています。
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