コロナのゴール
ここ2年ほど私たちの生活の様々な面で影響が及んでいる新型コロナウイルス感染症、これからどう変化し、最終的なゴールはどんなイメージになるのか。ウイルスの性質から探ってみましょう。
キーワードは「適者生存」です。
ウイルスが変異を繰り返してゆく中で、生き残りに適した者が生き残る。
これまで生物の授業などで聞いたことがあるかもしれませんが、ウイルスの世界も同様です。
「適者」とは、出来る限り、感染させる生物(宿主)を殺さず、出来る限り、広く感染しやすいものが自身も生き残れることになります。
たとえばエボラ出血熱のように感染した人間の6割が亡くなってしまうウイルスよりも、カゼのウイルスのように感染した人間がほとんどなくならないウイルスの方がより広く生き残れるわけです。
コロナウイルスの変異はランダムに起こっています。
その中で、より感染力が強く、より人間を殺さず重症化しない(これを病原性が低いといいます)ものが生き残ります。
そうして、最初武漢で発生した型からアルファ株→デルタ株→オミクロン株への主役が交代してきました。
おそらく今後は、さらに感染力が高く、病原性が低い、すなわち、カゼに近いものへと主力が移ってゆくと思われます。
WHOは、特に感染力が強かったり免疫をすり抜けるなど脅威の高いものをVOC(懸念すべき変異株)に分類し、新たな命名してゆきます。
基本的にギリシャ文字を採用しますから、次はパイ(π)株やシグマ(σ)株ということになるのでしょう。
こうすると、コロナウイルスの最終ゴールは、ふつうのカゼウイルスというイメージになりますが、実は、“先輩格”となるウイルスがそうなっているのです。
現時点で人間に感染するコロナウイルスは7種類あります(その他に動物に感染するものがある)。
この7種類のなかで、最初の4種類は、すでにカゼのウイルスになっていて、感染しても重症化は極めてマレ(免疫低下でなければ通常は重症化しない)です。
そして5番目がSARS、6番目がMERS、7番目が今回の新型です。
この「通常のカゼのウイルスのひとつになる」日がいつの日か予言は難しいのですが、まだオミクロン株はその域に達していませんから、いまはしっかり感染予防策をとってください。
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