コラム

「講義のオンライン化」は「オンライン講義」か②

 
さて、covid-19の影響を大いに受けた一年が終わりを迎えました。
訳もわからず突っ走ってきたオンライン講義でした。

この機会に少し立ち止まってふり返ってみたいと思います。

大学の講義形式には大きく分けて3つ(講義/演習/実習)あります。
今回は演習についてふり返ってみましょう。

これまでは対面でワイワイと話しながら進めていた演習が当たり前でした。

それがcovid-19によりできなくなったわけです。

3-4月を思い出すと愕然としていましたね。

そんな中でも学生の学びを止めるわけにはいきませんでした。

当初はZoomで話し合うことしかできませんでした。
しかし、前期の途中からオンラインホワイトボード(私は「Mural」を選択)を使うことで話し合いを視覚化することができるようになりました。

ここでポイントになったのが演習の進め方です。

「講義のオンライン化」では、従来の演習をオンラインで実施するだけです。
つまり、基本の単位はグループになります。
グループごとにテーマ①→テーマ②と進めていくわけですね。
もちろんグループごとに1枚の模造紙で話し合いを視覚化していきます。

ここで重要になるのは「共有している空間」です。

他のグループがどのような話し合いをしているのかを聞くことができるわけですね。
これがオンラインになるとできなくなります。

そこで「オンライン講義」化として発想の転換が求められました。

どうしたかというとグループごとではなく課題ごとにオンラインホワイトボードを用意し、自分たち以外のグループでどのような意見が出ているのかを可視化しました。
対面だと何となく耳に入ってきた情報を可視化したわけです。

このようにこれまでの対面を基本とした形をそのままオンライン化するだけでは学習効果は下がるでしょう。
だからこそ、発想を転換し、オンライン講義としての再構築が求められるのです。

対面に戻ることに感謝しつつ、このような取り組みを積極的に継続していきたいところですね。
 

この記事を書いた人
藤原 慶二
藤原 慶二 - ふじわら けいじ -

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