成功のカギは、結果が出るまで「待つ」ことができるかどうか
競技スポーツには常に勝者と敗者が存在し、その差はごく僅か、紙一重です。
勝ち負けは2分の1、5割の確率で決まりますが、アスリート個人のパフォーマンスはどのくらいの確率で「成功」となるのでしょうか?
日本で最も盛んなスポーツであるプロ野球では、一流と言われるバッターの打率は3割台なので、6割強の確率で凡打などに終わっているということです。
その他のスポーツ種目でも、シュートが入る確率、試技が有効となる確率などは決して高くなく、スポーツはほぼ失敗で成り立っているということができます。
ほぼ失敗で成り立っているが故に、上手くいったとき、勝利を収めた時の喜びは格別であるのがスポーツの醍醐味でもあります。
沢山の失敗の中から僅かな成功を掴み取るまでに、膨大な時間を要する場合が少なくありません。
記録を競う個人競技では、0.01秒、1cmの自己記録を数年間更新できない場合もざらにあります。
そのような苦しい期間が続くと、いま自分が取り組んでいるトレーニングや練習が間違っているのではないか、コーチや環境が悪いのではないか、自分は競技に向いていないのではないか、しばしばそんな思考に陥ってしまいます。
失敗が続く時は何かに原因を見出すことも大切ですが、「待つ」ということができていないだけの場合も沢山あります。
トレーニングや練習の効果はそんなにすぐには現れず、人の身体は一瞬で変化などしません。
例えば、筋力トレーニングを毎日必死に行っても、数週間、数カ月と継続してはじめて筋肥大や筋力アップなどの効果が目に見えて現れます。また、筋力などの基礎体力が向上したとしても、それが動作の感覚とマッチする、プレーやパフォーマンスの向上へと繋がるためには、相当な長い時間を要することになります。
そして、競技会では緊張やコンディション、対戦相手や外的環境など、膨大な数の要因がプレーやパフォーマンス、勝敗に影響を与えます。
そんな特性を持つスポーツにおける成功のカギは、結果が出るまで「待つ」ことができるかどうか、です。
いま取り組んでいる練習やトレーニング、考え抜いて、ベストを尽くして取り組んでいるのであれば、自分を信じて結果が出る時が来るのを待つことも必要ではないでしょうか。
競技スポーツには常に勝者と敗者が存在し、その差はごく僅か、結果が出るまで「待つ」ことが出来たか否かの紙一重で決まることも沢山あります。
RELATED POST関連記事
-
2022/02/14 医療福祉コースなぜオミクロン株で、若者も気をつけなければならないの?いま世界中でオミクロン株の感染者数が異次元な増え方をしています。 下はWHOが毎週出している世界の感染者数のグラフです。 いまの増え方がいかに異次元化ひとめでわかると思います。 (出典: [...続きを読む]
-
2022/12/04 総合福祉コース充実した実習とするためには社会福祉士の実習は、社会福祉士を目指す学生にとって大きな学びが得られる機会となります。 私は社会福祉士の実習指導の授業を担当していますが、学生さんと話してみると、実習前は不安で自分は大丈 [...続きを読む]
-
2020/12/19 総合福祉コース私の愛する音楽家~バッハ~私が10年間かけて続けてきた活動の一つに、介護保険施設での音楽ボランティア活動があります。 音楽は演奏する側も聴衆側をも幸せにします。 今日は、私が愛してやまない音楽家バッハの生涯をたど [...続きを読む]
LATEST POST最新の記事
-
2023/02/26 こども福祉コース変わるのはだれか本学で行っているSDGs(持続可能な開発目標)の取組み。 今となっては生活していればあらゆるところで耳にする言葉なのではないでしょうか。 先進国から開発途上国への一方的な「支援する−支援 [...続きを読む]
-
2023/02/07 総合福祉コース支援を支える考え方の一つ私たちの行動は、目的を果たすために行われます。 例えば「大学に行きたいから、勉強する」し、「全国大会に行きたいから、練習する」といった具合です。 だから目的を果たせないと分かっていたら、 [...続きを読む]
-
2023/01/21 総合福祉コース政教分離と私立学校高校生から「うちの学校では宗教の時間がある。これは憲法違反ではないのか。」と質問されることがあります。 確かに、日本国憲法第二十条「①信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる [...続きを読む]
コラムTOP
執筆者
タグ一覧
- ALS
- ICT
- PTSD
- SDGs
- あたりまえ
- かけがえのなさ
- つながり
- アスリート
- エンパワメント
- オンライン授業
- コミュニティ
- コラボレーション
- コラム
- コロナ
- コーチ
- コーチング
- コーチ哲学
- ジャージ
- ストレス
- スポーツ
- スポーツウェア
- スマホ
- ソーシャルディスタンス
- ソーシャルワーク
- ダイバーシティ
- デザイン
- トラウマ
- ノーマライゼーション
- ノーマリゼーション
- ハラスメント
- バレーボール
- ホーム
- ボランティア
- メンタルヘルス
- レジリエンス
- 不平等
- 人生
- 人生100年時代
- 人間関係
- 介護
- 体育
- 依存
- 児童虐待
- 共生
- 冷蔵庫マザー
- 協働
- 協力
- 印象
- 危機管理
- 問題行動
- 国家試験
- 声なき声
- 多文化
- 多文化共生
- 多様性
- 多職種連携チーム
- 大学教育
- 子ども
- 子ども支援
- 子ども食堂
- 学会
- 宗教
- 実習
- 尊厳
- 差別
- 平等
- 幸せ
- 復興支援
- 心理療法
- 怒り
- 性格
- 悩み
- 愛情
- 愛着
- 感性
- 感染症
- 成年後見制度
- 授業
- 援助
- 支援
- 政策反映
- 教養
- 文化
- 正しさ
- 正義
- 活動
- 海外研修
- 渡航医学
- 災害ボランティア
- 災害時要配慮者
- 生活困難
- 異文化
- 真実
- 矛盾
- 知性
- 知的障がい
- 研究
- 社会福祉士
- 福祉実践
- 福祉思想
- 福祉教育
- 科学
- 移植
- 精神障がい
- 経済
- 脳死
- 臨床心理学
- 自尊心
- 自己覚知
- 自己責任
- 自立
- 自粛警察
- 自閉症
- 若者
- 虐待
- 表現行動
- 観光
- 認知
- 認知症
- 読書
- 路上生活者
- 連携
- 適性
- 重要な一冊
- 障害当事者の声
- 障害者権利条約
- 難病
- 高齢者
- 高齢者福祉