コラム

ブレイクスルーを可能にする理念と使命―職場のマンネリを突破する力―

 
社会福祉学部では、学生に身につけてもらいたい教養の力と専門性を『学士スタンダード』という100ページほどの冊子にまとめています。

これを学生に配布し、1年次のゼミのテキストとして使用しています。

先日、この内容を踏まえつつも、「卒業時、学生にどんな力を身につけてほしいか」、教員間で話し合いました。

出された意見の中に「マンネリ化している状況を突破する力」があります。
確かに福祉現場をはじめ、他の仕事でも、社会の状況は変わっているのに、毎年同じ発想・考えで、同じことを繰り返しているところが、少なからずあります。

では、どうすればそうした力が身につくのでしょうか。

職場・職種にもよりますが、私が長年勤めた福祉現場について言うと、
1.その現場が本来実現しなければならない状態(理念)を明確にし、それを職員間で共有すること(これにより改善しなければならない課題が見えてきます)
2.その状態を実現しなければならない明確な動機、使命のようなものをもつこと(これが人を衝き動かします)
です。

この2つをもっている人は、問題意識をもち、どうすればいいかを考え抜きます。

そして、周りを巻き込んで改革を起こします。

理念をもつこと、使命を感じることは、卒業後すぐには難しいです。
しかし、実践を積み重ねていく中で理念の大切さと自分の使命に気づき、職場のマンネリを突破してほしいと思います。

少なくとも、福祉の現場は、そうした力を求めています。
 

この記事を書いた人
中村 剛
中村 剛 - なかむら たけし -
福祉現場の経験と哲学という営みを通して、社会福祉の根拠となる「知」を明らかにしたいと思っています。

RELATED POST関連記事

  • コーチング学って何? -体力やトレーニング効果を数字で表す-
    体育・スポーツに関する学問には様々なものがあります。 社会科学系では、体育哲学、スポーツ社会学、スポーツ心理学など、自然科学系では運動生理学、バイオメカニクス、スポーツ医学など、その分野は多岐にわたり [...続きを読む]
  • 経験からの気づき ~すべての人があたりまえに暮らせる社会~
    大学院生のとき、重症心身障害者の施設でアルバイトをしていたことがあります。 時間に余裕があったので、障害程度が特に重い人たちの支援に精を出していました。 当時は心の底から「利用者のために」と思って支援 [...続きを読む]
  • 福祉はゴール?でもなんでもない!
      「ローマ人の物語」の作者である塩野七海さんは、著書の中で「福祉によって誇りは満たされない。」と述べています。 この言葉だけだと誤解を招く(福祉は必要ではない等)ので、今少し考えていく必要 [...続きを読む]

LATEST POST最新の記事

  • 成功のカギは、結果が出るまで「待つ」ことができるかどうか
      競技スポーツには常に勝者と敗者が存在し、その差はごく僅か、紙一重です。 勝ち負けは2分の1、5割の確率で決まりますが、アスリート個人のパフォーマンスはどのくらいの確率で「成功」となるので [...続きを読む]
  • 言うまでもないこと
      先日、「暗黙の了解です」「言うまでもない前提なので」という事態に直面しました。 個人的には「ちゃんと言ってくれていたら・・・」という気持ちになりましたが、このような言わずもがなの事項は身 [...続きを読む]
  • 色彩と印象
      人は、第1印象(1秒~6秒程度)を、 ①外見や服装 ②表情・視線 ③話し方・声の質 ④しぐさ・姿勢 ⑤話す内容 で決定しているそうで、このことを「初頭効果」と言います。 初頭効果とは、最 [...続きを読む]
PAGE TOP