コラム

バレーボールにおけるサーブ戦術

 
ネット型球技におけるサーブは「最初の攻撃」として非常に重要視されます。

バレーボールにおけるサーブも同様で、仮にサーブで25点を取れれば勝ちとなります。
ただ、そう簡単にサーブで点数を奪える訳ではありませんので、第二の目的として相手のレシーブを崩して攻撃を単調にさせる、つまり、自チームのブロック&ディフェンスの隊形を取りやすくするという事があります。

ある世界大会のデータでは、上位に入ったチームでさえ、サーブの第二の目的であるレシーブを崩された場合のアタック効果率(得点になったアタック数から、アタックミスや相手にブロックされた本数を引いて総打数で割った数字)が5~10%になっているという事が示されました。

つまり、いかにサーブで攻めて相手のレシーブを乱し、攻撃力を弱めて自チームのカウンターアタックに繋げられるかという事がブレイク(連続得点)の機会を増やしていく事になります。

では、どのようにすれば相手のレシーブを乱すサーブを打つ事が出来るのでしょうか?

ある実験によるとジャンプフローターサーブ(ジャンプをしてボールに回転をかけずに打つサーブ)では、「打点を高くする」「打ち出し角度を真っ直ぐにする」「初速度を速くする」という事をすれば相手がレシーブする時にボールがブレるという事が示されました。これらに加え、レシーバーが構えている前に落とすショートサーブや、サーバーが見ている方と反対に打つフェイクサーブ等でレシーバーと駆け引きする事も重要になってきます。

そして最後にサーブの第三の目的として、自分達のリズムが良い時には相手が準備できる前に早く打ったり、反対にリズムが悪い時にはルール内の8秒間を目一杯使ってチームを落ち着かせたりといった事があります。

テレビでバレーボールの試合を見る際には、ぜひサーブの駆け引きにも注目してご覧下さい。

この記事を書いた人
水野 秀一
水野 秀一 - みずの しゅういち -

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