コラム

「大切なこと」をスケッチする②―2度と戻らない美しい日

研究で疲れた時、音楽を聴きます。

お気に入りの1曲に小沢健二さんの「さよならなんて云えないよ(美しさ)」があります。

「青い空が輝く 太陽と海のあいだ」という詩的なフレーズからはじまり、他愛もないことで笑い合う若者の日常が謳われています。

その中に、「左へカーブを曲がると 光る海が見えてくる 僕は思う! この瞬間は続くと! いつまでも」と、瞬間=永遠と思える時間を生きている情景を表す歌詞があります。

そしてその後に、「本当は分かっている 2度と戻らない美しい日にいると そして静かに心は離れてゆくと」と続きます。

日々、接している大学生たちは、「2度と戻らない美しい日」にいます。

そうしたことは、年を取ってから分かるものだと思いがちです。

でも、若い人たちはそのことを、心のどこかでは分かっているのでしょう。
そんなことを謳っている美しい歌詞・曲です。でも最近思います。

この歌詞のすごいところは、50歳を過ぎた今この時も「2度と戻らない美しい日」にいることを気づかせてくれるところにあるのではないか、と。

この記事を書いた人
中村 剛
中村 剛 - なかむら たけし -
福祉現場の経験と哲学という営みを通して、社会福祉の根拠となる「知」を明らかにしたいと思っています。

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