コラム

「大切なこと」をスケッチする③―心で分かる、だから行動が伴う―

楽天イーグルスのオコエ瑠偉選手のツイッターが大きな反響を呼んでいます。

オコエ選手は東京都出身でナイジェリア人の父親がいます。

保育園の頃、親の似顔絵を描く際に、先生が「肌色で塗りましょう」と言った時、涙ながらに茶色のクレヨンで親の顔を描いたことなどを綴っています。

辛い日々が続くなか「ベランダから飛び降りて、生まれ変わって、普通の日本人になれるかなとか、考えていた」と振り返り、「この普通とは何だろうと未だに考えている」と書いています。

また「甲子園には黒人はでるな」といった周囲の言葉も聞いています。
*ここまでの記述は毎日新聞6月18日付23面から引用しています。

福祉にノーマライゼーションという思想があります。

それは、地域、社会には、高齢者もいれば児童も大人もいる。女性も男性もいれば、心は女性で体は男性という人もいます。病気の人も健康な人もいます。こうした人たちが、地域で暮らしているのは正常な状態という考え方です。

この考えに依拠すれば、「普通とは何か」という問いに、福祉の立場からは「いろいろな人がいる地域、社会が普通だ」と考えます。

オコエ選手のツイートに対して、「差別はよくない」、「その人の気持ちを想像することが大切だ」、「一人ひとりの違いを尊重することが大切だ」といったことを思い考える人は多いと思います。
また、福祉の立場から言えば「ノーマライゼーションの思想が大切」と考えます。

ただ、こうした「大切なこと」は、「心で分かる、だから、行動が伴う」といった形での理解が必要ではないでしょうか。

「大切なこと」をスケッチするというシリーズのコラムでは、頭では分かっているけど、心では分かっていない「大切なこと」を、改めて問い、考え、言葉にする。そんな観点も交え、これからも投稿したいと思います。

この記事を書いた人
中村 剛
中村 剛 - なかむら たけし -
福祉現場の経験と哲学という営みを通して、社会福祉の根拠となる「知」を明らかにしたいと思っています。

RELATED POST関連記事

  • いまも影響力を持ち続ける人生論
    武者小路実篤が著した『人生論』の序を少し引き写してみよう。 それを読むことで、もしかしたら読んでみようと思う気になる人も出てくるかもしれない。 序にはこう書かれてある。 「この本だけ読めば僕が人生に就 [...続きを読む]
  • カナダ バンクーバー研修記(後編)
    後編は、研修プログラムについてご紹介したいと思います。 プログラムの柱は、 〇英語研修 〇福祉施設交流訪問・医療機関視察 〇デイケア(保育園)におけるボランティア の3つでした。 英語研修は、キャンパ [...続きを読む]
  • 谷口ゼミの実践領域
    最近の活動では、 「障害者の高齢化に伴うさまざまな課題への対応」と 「障害者虐待に係る対応」 が中心となっています。 障害者の高齢化により、わが国の法制にはいくつもの狭間や課題があること、法制以上に私 [...続きを読む]

LATEST POST最新の記事

  • コロナ渦でも学生が頑張ったこと その② ~「コロナ渦でも元気で楽しく過ごす子どものコツ」冊子の制作~
      コロナ渦は大学生に心身ともに大ダメージ 新型コロナは日本において大学生に心身ともに大きなダメージを与えています。 小・中・高校生は登校できていますが、大学生は登校も叶わない時期が長く続い [...続きを読む]
  • コロナ渦でも学生が頑張ったこと!その① ~「第9回子ども支援セミナー」の開催~
      昨年は新型コロナに翻弄された一年でした。 本学でも卒業式、入学式が中止になりました。 それだけではなく、大学はオンライン授業になりました。 大学内は学生立ち入りができずZoomでの授業に [...続きを読む]
  • コミュニティによい実践② ~観光スポットの分析~
      2018年10月、『兵庫県赤穂市GAP調査報告書』が公表されました。 この報告書は全94頁、赤穂市のHPでどなたでも閲覧できます。実際の調査では全国1,052名もの協力者が回答しており、 [...続きを読む]
PAGE TOP