コラム

コーチング学って何? -体力やトレーニング効果を数字で表す-

体育・スポーツに関する学問には様々なものがあります。

社会科学系では、体育哲学、スポーツ社会学、スポーツ心理学など、自然科学系では運動生理学、バイオメカニクス、スポーツ医学など、その分野は多岐にわたります。

そんな中でも、私の専門とする「コーチング学」は比較的新しい領域で、これからのスポーツ現場で最も必要とされる学問の一つです。
コーチング学をひと言で表すと、「スポーツの練習・トレーニングと指導に関する学問」です。

これまで多くの研究が行われ、運動やスポーツを行うと人間の身体にはどのような変化が起こるのか?
人間の運動やスポーツにおけるパフォーマンスはどのような仕組みで行われるのか?といった原理・原則は明らかにされています。
しかし、「どのようなトレーニングが効果的なのか?」「実際に行われている練習は本当に効果があるのか?」といった、具体的な練習・トレーニングの方法に関しては、まだまだ研究の余地がたくさんあります。
例えば、私の専門種目である陸上競技・跳躍種目で、どのようなウォーミングアップを行えば走幅跳で少しでも遠くに跳べるのか、実際に実験してウォーミングアップ方法別に効果を検証したりします。
また、野球やソフトボールにおいてトスバッテッィング練習というものがありますが、打者の前からトスをする場合と、打者の後ろからトスをする場合で、打撃フォームに違いは生まれるのか?といったことを検証したりします。

このように、スポーツの練習やトレーニングにおいて疑問に思うこと、知りたいと思ったことを実際に検証し、体力やトレーニング効果を数字に置き換えて客観的に評価し、スポーツ現場に有益なヒントを与える、そんなことを目指すのがコーチング学です。
「どうやったらもっと筋力が上がるのかな?」「こんな練習したら上手くなるかな?」こんな疑問を持つことが、コーチング学の最初の第一歩です。

この記事を書いた人
熊野 陽人
熊野 陽人 - くまの あきひと -

RELATED POST関連記事

  • 「新型コロナと福祉思想」その1―ICT社会としんがりの思想―
    新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため大学でもオンライン授業が中心となり、会議もZoomが使われています。 また、情報の共有や伝達にはMicrosoft Teamsが使われるようになりました。 いま、 [...続きを読む]
  • カナダ バンクーバー研修記(前編)
    昨年の夏、私は海外研修(カナダ バンクーバー)引率の機会をいただきました。 研修は、夏期休暇期間中の9月8日~17日(10日間)に実施されました。 この研修では、カナダの歴史・文化および福祉・教育・看 [...続きを読む]
  • 最近の学生について思うこと
      本学の一期生は今40代となり、家庭で、社会で奮闘している。 そうした卒業生と話す機会に、よく「先生、最近の学生はどうですか」と聞かれる。 一期生が学生だったころと比べて、何が変わっただろ [...続きを読む]

LATEST POST最新の記事

  • 成功のカギは、結果が出るまで「待つ」ことができるかどうか
      競技スポーツには常に勝者と敗者が存在し、その差はごく僅か、紙一重です。 勝ち負けは2分の1、5割の確率で決まりますが、アスリート個人のパフォーマンスはどのくらいの確率で「成功」となるので [...続きを読む]
  • 言うまでもないこと
      先日、「暗黙の了解です」「言うまでもない前提なので」という事態に直面しました。 個人的には「ちゃんと言ってくれていたら・・・」という気持ちになりましたが、このような言わずもがなの事項は身 [...続きを読む]
  • 色彩と印象
      人は、第1印象(1秒~6秒程度)を、 ①外見や服装 ②表情・視線 ③話し方・声の質 ④しぐさ・姿勢 ⑤話す内容 で決定しているそうで、このことを「初頭効果」と言います。 初頭効果とは、最 [...続きを読む]
PAGE TOP