コラム

自分が生まれてきた理由(意味)―私の幸福論

自分が生まれてきた理由(意味)は何だろう。

普段、こんなことを考える人はめったにいないと思います。この手の問いを考えるのは、なんらかの理由で悩んでいる人か、文学や哲学が好きな若者と相場が決まっています。
いま、哲学と書きましたが、学問としての哲学は、「自分が生まれてきた理由(意味)は何だろう」という問いを立てることは、ほとんどありません。
この問いは学問とは違った、いわゆる人生哲学といわれるものに属する問いです。

 私は、「自分が生まれてきた理由(意味)」について悩んだり考えたりしたことはありません。
ただ、自分が生まれてきた理由を感じるというか、確信することが2つあります。

1つは、子どもの存在です。自分がこの世に生まれてきた理由(意味)は、3人の子どもを、この世界に送り出すためである、と確信しています。
もう1つは、新たな知見を示した学術書の内容がほぼ出来上がった時です。
その時、「自分は、これを書くために生まれてきたんだ」と感じます。この2つは、あくまで「私にとって」であり、決して普遍化できるものではありません。

 私たちは誰もが、たまたま(偶然)、この世界に生を受けました。
にもかかわらず、自分が生まれてきた理由(意味)を確信したとき、自分がこの世界に生まれてきた必然性のようなものを感じます。

それは、この世界における「わたしという存在の最大限の肯定」です。この肯定こそ、大切な人から「あなたがいてくれるから」という言葉と並ぶ、人を幸せする最も重要や要因だと思います。

この記事を書いた人
中村 剛
中村 剛 - なかむら たけし -
福祉現場の経験と哲学という営みを通して、社会福祉の根拠となる「知」を明らかにしたいと思っています。

RELATED POST関連記事

  • 人を人として見れなくなる福祉教育の弊害
      福祉に関して学生と接していて気を付けていることがあります。 それは知識や技術を重視しすぎることで起きがちな「専門バカ」を生み出さないために何が必要かということ、そのための片方の重しをどの [...続きを読む]
  • ボランティアから得られるもの(前編)
      大学に入ったら始めてみようと思うことに、「ボランティア」を挙げる学生さんがいます。 ボランティアという言葉は、ラテン語の volo(ウォロ)が語幹であり、日本語で言うと「自発性」が中核概 [...続きを読む]
  • 悩ましさに悩む①
      昨日の失敗を繰り返さない、今日の努力が明日の成功につながる。 子どもの頃によく聞いた言葉です。 しかし近年、「今この瞬間に着目する」「今を生きる」ことが注目され、それらは心理学の分野では [...続きを読む]

LATEST POST最新の記事

  • 悩ましさに悩む①
      昨日の失敗を繰り返さない、今日の努力が明日の成功につながる。 子どもの頃によく聞いた言葉です。 しかし近年、「今この瞬間に着目する」「今を生きる」ことが注目され、それらは心理学の分野では [...続きを読む]
  • スポーツは安全第一
      楽しく、刺激的な身体活動であるスポーツは、様々なルールという制約の下、人間の精神力・身体能力の限界を競ったり、身体や道具を巧みに操る能力を競うことで成立しています。 スポーツをする立場、 [...続きを読む]
  • 適性は形成概念:あなたは向いている? それとも向いていない?
      看護にしても社会福祉にしても、その仕事に向いているか向いていないか、この適性の問題は大事ですよね。 ではどう捉えたらよいのでしょうか。 そもそも適性って、何なのか。 私の大学院修士課程時 [...続きを読む]
PAGE TOP