「社会福祉専門職」としてのソーシャルワーカー
ソーシャルワークとは、基本的人権の尊重と社会正義に基づき、福祉に関する専門的知識と技術を用いて、生活上の困難や悩みをかかえる人に寄り添い、その人と共にその困難や悩みの解決を図り、一人ひとりの幸福と自立した生活を支援することです。
そして、このような支援を行う社会福祉専門職のことをソーシャルワーカーと呼び、わが国ではソーシャルワーカーの国家資格として社会福祉士と精神保健福祉士が定められています。
ソーシャルワーカーは、生活上、さまざまな困難や課題をかかえている人びとからの相談に応じ、その解決のために必要な福祉サービスの使用を支援したり、関係するさまざまな専門職や事業者、ボランティアと連携を図り総合的に援助したり、サービスが足りないときはそのサービスを開発することなどを行います。
また、住みやすい社会づくりや人権を尊重する地域社会づくりも私たちの重要な役割です。
ここ数年、急激な経済不況とも相まって国民の生活困難がいっそう深刻な事態となっています。
子どもや高齢者で続発する虐待などの人権侵害、不登校や学校でのいじめ、貧富の差が拡大するなかでの失業者の増加、偏見や社会からの排除で苦しんでいる人、障がいや療養生活にある人、認知症を有する高齢者やその高齢者を支える家族、一人暮らしの高齢者など、社会的な支援を必要とする人々が増加しており、社会福祉士や精神保健福祉士の役割の重要さは増しています。
そこで、社会福祉関係の全国17団体で構成するソーシャルケアサービス従事者研究協議会は、「海の日」をソーシャルワーカーデーとすることを決めました。
海はすべてを包み込み、生命を生み出す母胎であり、力強さにあふれていることから、これを契機にソーシャルワーカーに対する関心と理解を拡げる象徴として認定しました。
『ソーシャルワーカーデー宣言』
私たち社会福祉士及び精神保健福祉士は社会福祉の支援を必要とする人びとの生活を護ります。
そして、地域社会において貧困や差別、孤立や社会的排除をなくし、すべての人が、住みなれた地域で尊厳を保持し自分らしく安心して生きることができる社会をめざします。
そのために社会変革が必要な場合は勇気をもって取り組みます。
[宣言日]2009年7月20(月・祝) [宣言場所]全国町村会館ホール(東京都千代田区)
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