コラム

子どもと家庭を支える想像力と創造力-スクールソーシャルワーク教育課程の取組み-

 
近年、子どもと家庭をとりまく状況は厳しく様々な課題がマスコミ等でも取り上げられています。

少し前であれば、子どもの相対的貧困が大きなトピックとなっていました。
ここ数年で急速に注目されるようになったテーマとしては、ヤングケアラーなども挙げられます。
もちろん児童虐待や非行等、以前から継続している課題もありますし、もっと大きな目で見ると、少子化問題や子どもの健全育成、子育て支援等のトピックも重要です。

いずれにせよ、子ども達がその生まれた環境に関わらず、公平平等に自分の将来に希望を抱き、自分らしく成長していけること、またその重要な環境である家庭を支えることはますます重要になってきており、福祉、特に子ども家庭福祉と呼ばれる領域の役割は大きいと考えられます。

そのような中、本学にはこども福祉コースがあり、スクールソーシャルワーカーの養成をはじめ、子ども家庭福祉分野で活躍できる人材の養成をおこなっています。

ここではスクールソーシャルワーク教育課程(以下、SSW教育課程と略)で実施している「親子交流行事」の紹介をしたいと思います。
親子交流行事は、本学がある赤穂市内の小学校に通う子どもとそのきょうだい、保護者を対象とし、学内外の様々な関係機関と連携を図りながら、親子相互の交流をはかり、その絆の深まりを促進できるようなイベントを開催することで、子ども支援、子育て支援に資することを目的としています。

毎年、SSW教育課程を履修する学生(4年生)が中心となり、2年生のゼミ活動とも協働しながら、さまざまなアクティビティを企画しています。
ある年は「脱出ゲーム」をテーマとしたこともありますし、ある年は「スパイ」をテーマとしたこともあります。コロナ禍の緊急事態宣言発令下で開催できなかった年は、外出が出来ずストレスフルな生活におちいるのを予防するために、家庭で出来る遊びをまとめた冊子を配布したこともありました。
費用もかからず、身近な地域で気軽に親子で楽しんでいただけるようなイベントを心がけていますし、未就学のお子様も学生がサポートしながら可能な限りご参加いただけるようにしています。

すでに10年を超える歴史があり、例年、申し込み受付をはじめると3~4日で定員が埋まり、キャンセル待ちを希望される方もおられます。

ありがたいことに地域の社会資源の一つとして定着をしているようにも思います。

このような機会を通して、学生たちはまだ見ぬ子ども達や家庭の様々な状況に思いを巡らし、人や地域を支えるための想像力、そして必要なリソースを生み出していく創造力を養ってくれているように思います。

この記事を書いた人
高田 豊司
高田 豊司 - たかた とよし -
心療内科クリニック、スクールカウンセラー、重症心身障害児施設等を経て、児童養護施設の心理職として勤務してきました。授業だけではなく、現場で役立つ実践的な学びが得られる機会を作っていきたいと考えています。また研究室が、在学中のみならず、卒業後の学生の皆さんの心の拠り所となれば考えています。

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