ストレスとタイプA性格
関西福祉大学社会福祉学部の一瀬貴子です。
皆さん、前回、ストレスに影響を及ぼす要因として、「認知的評価」と「対処」があるというお話をしました。
今回は、「パーソナリティ要因」について紹介したいと思います。
フリードマン医師は、心臓病外来の椅子の浅い部分が擦り切れているのを見つけ、それは、患者が自分の名前を看護師に呼ばれるとすぐに立つことができるように浅く腰をかけているという共通点がみられることを発見しました。
そして、それらの患者に共通する性格特性として、「タイプA性格」と名付けました。
タイプA性格とは、
「自分の目標を達成しようとする強い気持ちを持つ」
「人と競争することを好む」「会議中に何か別のことをするなど、常に時間に終われながら多くのことをこなそうとする」
「人の話を長く聞いていることができない」
「要領を得ない話し方をする人、同じ話を繰り返す人にイライラする」
「常に急いで歩いている」
「食べるのが早い」
といったような行動をとることです。
いくつか当てはまると思って、ドキッとした人もいるのではないでしょうか。
このタイプA性格もしくは行動パターンを持つ場合、ストレス反応が大きくなるという研究などがみられます。
また、心臓疾患の発病にも関連するという研究もあります。
しかし、これらの行動パターンから抜け出す方法というものがあります。
「仕事中、時々無理にでも中断して、気分転換をする要に心がける」
「仕事が予定より早く済んだら、次の予定を繰り上げたりせずに、趣味や楽しみのための時間に回す」
「趣味といえるものを持つようにする」
「親しい人間関係に浸る時間を大切にする」
「列に並んだりする場合に、空想したり、周りの景色や人を観察したりする」
「若かったころや子どもの頃を思い出す」
といったように、ちょっとした工夫一つで、せっかちな思考パターンから抜け出すことが出来るのです。
皆さんも試してみてはいかがでしょうか。
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